ビタミンAと妊婦1 |
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妊婦の摂取について1妊婦がビタミンAを過剰に摂取すると、お腹の胎児が奇形になる可能性が、大きいことが知られています。 ある海外の研究機関によると、妊婦が1日にビタミンAを、3000μg(マイクログラム)RE以上摂ると、危険であるという報告があります。 また、別の研究機関では、1日に5000μgRE以上を長期間摂取した場合には、通常の妊婦に比べ、胎児の奇形発生率が、約3.5倍になるという報告もあります。 ただ、ここで大切なのは、ビタミンAにはレチノールと、βカロテンの2つがあるということです。(両方ともビタミンAの仲間) レチノールとβカロテンの違いレチノールは、鶏レバー、豚レバー、うなぎの蒲焼きなどに含まれ、動物性ビタミンAと呼ばれています。このレチノールは、身体への吸収率が高く(約80〜90%)、なおかつ肝臓に貯蔵されます。 このため、妊婦がレチノールが多い、動物性食品を食べすぎると、奇形の確率が高くなるのは確かです。 一方βカロテンは、モロヘイヤ、西洋かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜に含まれ、植物性ビタミンAと呼ばれています。 その特徴は、吸収率が低くレチノールの1/12〜1/3ほどで、余分なβカロテンは、身体の外に排出される仕組みになっています。 このため、妊婦が山ほど緑黄色野菜を食べても、その影響で胎児が奇形になることは、ほとんどありません。 つまり、妊婦がビタミンAの過剰摂取を避けるには、レチノールが含まれる動物性食品を控えることが、ポイントになります。 妊婦の摂取量の目安では、一体どれくらいがビタミンAの、最適な摂取量なのかですが、これについては、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に、1日あたりの数値が公開されています。(18才〜49才の場合) ◆推定平均必要量(最低限の必要量) これによると、ちょうどよいビタミンAの摂取量は、妊婦で1日あたり670μgREになります。 レチノールを多く含む、以下の代表的な食品と比べてみると、いずれも670μgREをオーバーしていることがわかります。 ・鶏レバー・・・焼き鶏 1串(30g) 4200μgRE ということは、妊婦の人はできるだけ、植物性食品をメインにした食事から、ビタミンAを摂取した方が、よいといえるのです。 *参考 IUとμgREの関係は、次の式のようになっています。詳しくは、ビタミンAの単位をご覧ください。 ◇ビタミンA コンテンツ一覧 |
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